2009年04月28日

緑輝けの最終回に登場

「緑輝け」の紙面 クリックで拡大します。信濃毎日新聞で特集されている「緑輝け 木を暮らしに」の最終回に登場させてもらいました。
紙面の半分にも及ぶ巨大な写真が目を引きます。

先日、二回にわたって記者さんとカメラマンさんが取材に来てくれました。
新聞の取材でカメラマンを連れてくるのは写真が重要な記事だということですね。
取材の内容も、信州の山の話から木の使われ方といった記事の主題に沿ったものに始まり、地球温暖化と循環型社会の矛盾にも及ぶなど多岐に渡りました。

信州の山が大変なことになっているのは、関係者だけでなくても森林税を搾取されている長野県民ならそれなりに感じていると思います。
でも、山が大変だから里の人に強制的に支援を求める今のあり方に疑問がありました。
例えば、戦後の植林でカラマツばかりを植えてしまった後始末に、県税をつぎ込んででもカラマツの家具を作って売り込もうとした県の愚策。
建具屋の仕事つくりが本音にあるものだから、家具の作り手は蚊帳の外に置いてしまって良いものがつくれるはずがないですよ。
建具屋さんの本業は障子や襖などの建物に付属する木工事でして、椅子やテーブルのようなものは本来手がけない。
椅子やテーブルを本業にする家具屋が参加を拒まれるカラマツの家具つくりが軌道に乗るはずもなく、徒労に終わってしまったのもうなづけます。

そんなことがあって、信毎の記者さんが疑問に感じていたところに、記事に対して寄せた私のコメントが目についたようです。
山には家具に適した木がたくさんあるのに、家具に適さないカラマツを消費者押し付けるのは建具屋のエゴじゃないかと。
カラマツは住宅に使った方が特性が生きるし、量もさばける。
カラマツよりも家具に適した広葉樹が、山から出されず使われないことの方がもっと重要だと思いました。
信州の山の木で家具を作るには、どの木を使ったらいいのかは、供給側の理屈は押し付けでしかなくて、消費者はよりよいものを作って欲しいと思っているはず。

家具に使われる木材の量は、住宅に使われる量に比べればはるかに少ないので、木の個性を生かして選ぶ使い方ができるはずです。
さまざまな木を使い分けていることが知れ渡るようになると、長野県の北部や東部の森林組合からも「買いに来てくれないか」と声がかかるようになりました。
どうして地元の家具の作り手は使わないのだろうか。
外国産の木材がつくりやすいというのがその理由です。
ここでもつくり手の都合で、身の回りにある素材が生かされていない。

ユーザーの視点に立てば、使いやすくて良質な家具が地域の木でつくられることを望んでいると思います。
質が劣るカラマツよりもドングリやサクラで作った方がいいものができるし、オークやチェリーに勝るとも劣らない特性を生かすことですばらしい家具になる。
そのことを記事にしてくれた信濃毎日新聞ならびに島田、太田の両記者に感謝します。


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