2011年07月04日

玄関の壁面収納


玄関の壁面収納を作り付けました。
作り付け家具ですが、単体で納品して、現場で細かな細工を施してピッタリと収めていただきました。
チャボヒバ(側板、扉框)、カラマツ(天板、底板)、アカマツ(棚板)、キリ(鏡板)、クリ(ツマミ)という組み合わせです。
樹種はお任せだったので、家がさまざまな樹種を作っていることに呼応して、予算の範囲内で地の材ならではの樹種の特性を捉えたつくりを心がけました。
家の色調に合わせて明るく、軽やかに仕上げました。(実際に軽いです^^)

品 名 : 玄関収納
数 量 : 上下二段
発注元 : 長野県駒ヶ根市
構 造 : ビスケットジョイント接合
塗 装 : オイルフィニッシュ(オスモ エキストラクリア)
寸 法 : 壁面全面
樹 種 : チャボヒバ(側板、扉框)、カラマツ(天板、底板)、アカマツ(棚板)、キリ(鏡板)、クリ(ツマミ)  


2011年07月02日

山桜の本棚



本棚のオーダーメードの注文をいただきました。
東京都のお客様からです。

工房楽木のHPにある『611 本棚』の幅を600mmから900mmに拡大するセミオーダーです。

本体に使った木材は、ヤマサクラです。
背板はスギ、幅木はヒノキを使いました。
棚板は、固定構造です。

塗装は『匠の塗油』を使って、オイルフィニッシュで仕上げてあります。

品 名 : 本棚
数 量 : 1
発注元 : 東京都
構 造 : ビスケットジョイントと埋め込み木ネジ併用
塗 装 : オイルフィニッシュ(匠の塗油)
寸 法 : 幅900mm×高さ900mm×奥行き310mm
樹 種 : ヤマザクラ、スギ、ヒノキ  


2011年03月20日

ドングリの学習机



学習机のオーダーメードの注文をいただきました。
東京都のお客様からです。

足元に貫(横棒)がなく、前後両側から使えるという特徴があります。

天板に使った木材は、ドングリ(コナラ)です。
脚はハリエンジュ、幕板はクリ、貫はケヤキを使いました。

塗装は『匠の塗油』を使って、オイルフィニッシュで仕上げてあります。

品 名 : 学習机
数 量 : 1
発注元 : 東京都
構 造 : 脚:ビスケットジョイント接合、天板、自在金物
塗 装 : オイルフィニッシュ(匠の塗油)
寸 法 : 幅800mm×高さ750mm×奥行き550mm
樹 種 : ハリエンジュ、クリ、  


2011年01月18日

栗の本棚



本棚のオーダーメードの注文をいただきました。
お子様のシックハウスでお客様からです。

当初は無塗装、無接着というご要望でしたが、無理して製作すると耐久性が下がるだけでなく製作費も高騰してしまうので、当工房の標準的な作り方でも量販品の家具よりも格段に安全性が高いことを説明してご納得いただきました。

本体に使った木材は、栗です。
棚板はドングリ、背板はサワラを使いました。
棚板は、すべて高さを変えられる構造です。

塗装は『匠の塗油』を使って、オイルフィニッシュで仕上げてあります。

品 名 : 本棚
数 量 : 二棹
発注元 : 神奈川県在住
構 造 : ビスケットジョイントと埋め込み木ネジ併用
塗 装 : オイルフィニッシュ(匠の塗油)
寸 法 : 幅1030mm×高さ850mm×奥行き300mm
樹 種 : クリ、ドングリ、サワラ  


2010年09月30日

洋服タンスを食器棚と姿見にリフォーム

引っ越しを機に、婚礼タンスのリフォームを依頼されました。
引っ越し先に持ち込めない大きさなので、小さくしたい。
さらに、タンスではなく異なる機能の家具が欲しい。

引っ越しまで時間の余裕がないので、リフォーム後の姿は漠然とさせておいて、可能ならばお願いしたいというご要望にお応えしてお引き受けいたしました。

さまざまな家具を検討した結果、姿見鏡と食器棚に返信することになりました。



扉の裏側に取り付けてあった鏡を姿見に作り変えます。
本体は奥行と高さを小さくして、腰窓の下に納まるように作り変えました。
上二段の棚板は、扉の鏡板を小さく加工して再利用しています。

  


2010年03月23日

一枚板のキッチンカウンター

お得意さまが住宅をリフォームすることになり、素材の提供を依頼されました。
無垢材で作った棚板とキッチンカウンターです。

ご紹介するのは、2.7mのカウンター材。
素材はクリ。

伊那北駅の踏切近くにある焼き鳥屋で昔使われていたもののリユースです。
店舗のリフォームではエノキで作ったカウンターを納めましたが、取り外したカウンター材を引き取って保管していました。

今回のご注文は、幅2.7m×奥行き70cm×厚さ5cmと、かなりの大きさです。
古材はかなり反りが出て、そのままでは使えないので、表も裏もすべて平滑に削り出します。
厚さ6.5cmだったものが、5cmで完璧な平面に仕上がりました。

割れやヒビ、節や虫食いの穴などが随所にあるので、丹念に補修します。
中央に大きな割れが生じていいたので、裏面を掘って角材を埋め込んで補強しました。
さらに鎹(かすがい)を打ちこんで割れが再発しないようにしました。

長方形の板だったものを、カウンターの手前になる面は木目に沿って切り出し、耳付き材の風合いを出しました。
塗装は自然塗料のオイルフィニッシュ。

運搬は、家財宅急便が使えないので、厳重に梱包して西濃運輸で運びます。  


2010年03月19日

座卓の脚を継ぎ足してテーブルにリフォーム

座卓をテーブルとして使いたいというご要望を多くいただきます。

今回も「脚を伸ばしてダイニングテーブルとして欲しい」とのご希望でした。

脚を伸ばすには、長い脚に交換するか、脚を継ぎ足す、の二通りがあります。
前者の方が構造的にもデザイン的にも良いのですが、後者の方が費用がかからない。

今回は、脚の継ぎ足しでリフォームしました。

座卓の足は7cm角と太いので、角材から作るのではなく板を接ぎ合せて厚くしてから角材に切りだしました。
元の座卓の脚の構造とも合わせてあります。

接合部はビスケットジョイントを4枚入れて強度をもたせてあります。
通常の使用なら折れることはありません。

継ぎ足しなので元の脚の質感と似た樹種を使う必要があります。
元の樹種はタモでしたが、同じような質感の材木が手元になかったので、タモに良く似たクリを使いました。
クリとタモは非常によく似た一面をもちます。

塗装は元の座卓と同じくウレタン仕上げです。
工房楽木では原則として自然塗料しか使わないので、自然素材系のウレタン塗料を用いました。  


2010年03月09日

和タンスからライティングデスクへのリフォーム

35年前に嫁入りの際に親御さんが婚礼家具として持たせてくれた和タンスです。
新築で不要になって、ずっと実家に置かれていたそうです。

このたび実家を処分することになり廃棄するにも躊躇していたが、リフォームできないかと問い合わせをいただいた。
希望は、ライテイングデスクにリフォームできないものか。
難しい注文だが、リフォームの可能性を広げる新たな挑戦として取り組んでみました。

ライティングデスクは天板の一部が閉じたり開いたりするところに特徴があります。
同じ用途だからタンスの扉が使えそうです。
ところが幅が足りません。
タンスの下段は、そのままライティングデスクの本体になるのですが、扉の高さよりも広いんです。

扉を天板にした時の奥行き寸法にわずかに余裕があるので、これを幅の不足に充当しました。
ギリギリの仕事なので失敗は許されません。

衝立は和タンスの扉内にあった引き違い戸を使いました。
両脇の部分は引き違い戸を抑えていた鴨居です。
この鴨居は、引き違い戸の連結部分にも長さ調整として使っています。

丁番などの金具が取り付けてあった穴があちこちあるので、埋め木で隠します。
天板を折りたたむためのミシン丁番を取り付ける部分は、厚さの分だけ掘り込んで表面がフラットになるように加工します。

開いた天板は引き出しで支える構造ですが、引き出しが少し垂れるので、その分の厚さを天板裏に足しておく必要があります。
扉から切り取った飾り縁を利用しました。  


2009年04月28日

緑輝けの最終回に登場

「緑輝け」の紙面 クリックで拡大します。信濃毎日新聞で特集されている「緑輝け 木を暮らしに」の最終回に登場させてもらいました。
紙面の半分にも及ぶ巨大な写真が目を引きます。

先日、二回にわたって記者さんとカメラマンさんが取材に来てくれました。
新聞の取材でカメラマンを連れてくるのは写真が重要な記事だということですね。
取材の内容も、信州の山の話から木の使われ方といった記事の主題に沿ったものに始まり、地球温暖化と循環型社会の矛盾にも及ぶなど多岐に渡りました。

信州の山が大変なことになっているのは、関係者だけでなくても森林税を搾取されている長野県民ならそれなりに感じていると思います。
でも、山が大変だから里の人に強制的に支援を求める今のあり方に疑問がありました。
例えば、戦後の植林でカラマツばかりを植えてしまった後始末に、県税をつぎ込んででもカラマツの家具を作って売り込もうとした県の愚策。
建具屋の仕事つくりが本音にあるものだから、家具の作り手は蚊帳の外に置いてしまって良いものがつくれるはずがないですよ。
建具屋さんの本業は障子や襖などの建物に付属する木工事でして、椅子やテーブルのようなものは本来手がけない。
椅子やテーブルを本業にする家具屋が参加を拒まれるカラマツの家具つくりが軌道に乗るはずもなく、徒労に終わってしまったのもうなづけます。

そんなことがあって、信毎の記者さんが疑問に感じていたところに、記事に対して寄せた私のコメントが目についたようです。
山には家具に適した木がたくさんあるのに、家具に適さないカラマツを消費者押し付けるのは建具屋のエゴじゃないかと。
カラマツは住宅に使った方が特性が生きるし、量もさばける。
カラマツよりも家具に適した広葉樹が、山から出されず使われないことの方がもっと重要だと思いました。
信州の山の木で家具を作るには、どの木を使ったらいいのかは、供給側の理屈は押し付けでしかなくて、消費者はよりよいものを作って欲しいと思っているはず。

家具に使われる木材の量は、住宅に使われる量に比べればはるかに少ないので、木の個性を生かして選ぶ使い方ができるはずです。
さまざまな木を使い分けていることが知れ渡るようになると、長野県の北部や東部の森林組合からも「買いに来てくれないか」と声がかかるようになりました。
どうして地元の家具の作り手は使わないのだろうか。
外国産の木材がつくりやすいというのがその理由です。
ここでもつくり手の都合で、身の回りにある素材が生かされていない。

ユーザーの視点に立てば、使いやすくて良質な家具が地域の木でつくられることを望んでいると思います。
質が劣るカラマツよりもドングリやサクラで作った方がいいものができるし、オークやチェリーに勝るとも劣らない特性を生かすことですばらしい家具になる。
そのことを記事にしてくれた信濃毎日新聞ならびに島田、太田の両記者に感謝します。  


2009年04月06日

子供用ベッドのサイズ直し

子供用ベッドのサイズ直しを依頼されました。
購入したものの部屋の寸法を合わなかったので、10cm小さくできないかとご相談を受けました。

組み立て式のベッドで、接合部位は金物が取り付けてあり、ユーザーがDIYで何とかできるレベルのものではありません。
10cm切り詰める部分の画像を撮影してメールで送っていただき、加工が可能かどうか検討しました。

木ネジやボルト・ナットだけで接合されているなら、きれいに補正できるんですが、ボンドを併用してあると不要な部分を取り除く際に傷が生じます。
ある程度は傷が残るかもしれないことをご了解いただいた上で、サイズ直しに取り掛かります。

フック状の接合金物が、ベッドのスノコ受けの下に入り込んでいて木ネジで取り付けられているために、その部分を切り取ってから金具を取り外します。


再度取り付けるときにも、スノコ受けの下に金物を設置するためには、ある程度切り取って新たに付け直す必要があります。
そこで、さらに25cmほどを切除します。


手すりの支柱も一本邪魔になるので取り外して、全体の長さを10cm切り詰めます。
そこに、フック金物を取り付け、その上からスノコ受けを新たな部材で作り直して取り付けます。


他にも長さを切り詰める部材が2本あって、こちらはボルト・ナットで接合する仕組みです。
こちらも10cm切り詰めてから、丸ナットを埋め込む穴やボルトを通す穴など、元の部材と同じ位置に加工します。


スノコを抑える部材が邪魔になるので取り除きますが、これはお客様が都合の良いところに現物あわせで取り付けていただきます。
そのために、余分な接着剤や釘を取り除いてお返しします。


お子様の入学にあわせて購入されたベッドなので、一日も早くお手元にお返ししたほうが良いだろうと、超特急で仕上げました。